日本核物質管理学会Institute of Nuclear Materials Management (INMM) Japan Chapter

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会長挨拶

2018年8月

会長 千崎雅生

日本核物質管理学会(INMMJ)のWEBを更新いたしましたので、一言ご挨拶を申し上げます。

平素より当会の活動に積極的にご参加・ご支援を頂いております、会員各位、賛助会員、協賛各社他の皆さんに深く御礼申し上げます。

当学会は、エネルギー資源の乏しい我が国が、原子力平和利用と言う基本理念の下、核燃料サイクル技術開発を本格的に開始していた1977年7月に、米国の核物質管理学会(INMM:Institute of Nuclear Materials Management)の初の国際支部として設立されました。それ以来、核不拡散/保障措置、核セキュリティなどに関する核物質管理技術の開発、国際協力、人材育成などを目的として、米国、EC,IAEA、我が国の関係省庁、研究開発機関、電気事業者、産業界、大学、学界他との連携の下に積極的な活動を行い、我が国の原子力平和利用の推進と本分野の国際的な活動に貢献してきました。現在世界一の会員数を持つ国際支部として、米国のINMM本部、米国政府機関、米国国立研究所、原子力産業界、学界、そしてEC、 IAEAなどからも、当学会の活動が高く評価されています。

さて、本年7月23日、日本原燃株式会社(JNFL)は、INMMから民間の原子力事業者として初となる「チャールズEピエトリ特別サービス賞」を受賞しました。今回の受賞は、同社施設における原子力平和利用のための核物質管理、即ち核物質の移動量や在庫量などを自動的に検査・確認する仕組みや、運転状況を監視する仕組みなどの技術開発に貢献するとともに、保障措置技術の発展に多大な貢献をしたとして国際的に高く評価された証左であります。当学会はこれまでJNFLや電気事業者としっかり連携しながら、学会活動を進めてまいりましたが、今回のJNFLの受賞は、当学会にとっても大変喜ばしいものであります。

皆様ご承知のように、我が国の原子力平和利用を円滑に推進するために、大変重要な日米原子力協定が改定(1988年7月)されてから、本年7月に30週年となり同時に現行協定の期限を迎えました。日米両政府は本協定を自動延長しましたが、今後は日米政府のいずれかが6か月前に通告すれば、破棄できる可能性のある状態になります。日米原子力協定の適切な運営には、我が国の円滑な原子力平和利用の推進が大変重要ですが、東電福島第一原子力発電所の事故以来、我が国の原子力開発は停滞し、現時点においても再稼働した原子力発電は未だ9基に過ぎません。また高速増殖炉「もんじゅ」の廃止と今後の高速炉開発課題、六ヶ所再処理工場の稼働に向けた取組、原子力施設の廃止措置、放射性廃棄物処分など、核燃料サイクルの推進に向けて大きな課題に直面しています。そのような中で本年7月、政府は新たな「第5次エネルギー基本計画を閣議決定し、また原子力委員会は、新たな「我が国におけるプルトニウム利用の基本的考え方」を決定しました。当学会は、このような我が国の原子力平和利用を巡る状況を十分に勘案し、今後も原子力平和利用活動に対する一層の国際的な理解の獲得、そして国際的な核不拡散・保障措置や核セキュリティの強化に貢献するため、本分野の活動を一層活発化させたいと考えます。特に原子力の平和利用において3S、即ち「安全:Safety、「保障措置:Safeguards、「核セキュリティ:Nuclear Security」が極めて重要であり、特に保障措置と核セキュリティは、当学会の専門分野であります。また、今後、施設の老朽化に伴う廃炉及び施設の廃止が進んでいくという、我が国の原子力の新たな展開に対する保障措置、妨害破壊行為やサイバーセキュリティなど核テロ対策強化、本分野の技術開発、手法、政策及び規制に係るガイドラインの作成などにおいて、当学会の貢献が期待されており、国際社会からもその活動が注目されていると考えます。

当学会は、今後も国内の関連機関、関連学会、大学等との連携・協力、そして米国INMM本部、EC、IAEAなどと国際的な連携・協力を積極的に進め、我が国はもとより国際的な原子力平和利用の円滑な推進に貢献してまいります。米国INMM本部においては、現在鋭意、一層の活発な活動、会員へのサービス向上、組織改革や会員増加などのための取組強化を進めていますが、当学会としても、核物質管理に関するタイムリーな話題への取組、情報発信、会員・賛助会員他の皆様へのサービス向上、効果的・効率的運営、会員増や学生支部設立に向けた取組などに鋭意努力し、正念場にある日本の原子力平和利用、核燃料サイクルの進展に貢献してまいります。

引き続き皆様のこれまで以上のご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

核物質管理学会とは